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【養蜂家】―ミツバチを支えるプロフェッショナルの仕事

ミツバチは、私たち人間にはちみつをはじめとした様々な自然の恵みを与えてくれるだけでなく、地球上の自然と生態系にとって非常に重要な存在です。
植物や農作物などの受粉はミツバチが媒介することによって行われ、豊かな自然を守るための大切な役割を担っています。
養蜂家はいわば、そんなミツバチを支えるパートナー。
その日によって変化する状況を見極め、周囲や巣箱のメンテナンスを行い、日々地道な努力を積み重ねてミツバチを陰ながら支えています。
長年の経験に基づいた技術と知見は、まさにプロフェッショナルとしての誇り。
今回は、ミツバチを支える「養蜂家」の仕事について詳しく解説していきます。
養蜂家の仕事内容、そのやりがいや喜びの他、養蜂家になるための方法などについてご紹介しますので、ご一読いただければ幸いです。

【養蜂家】とは

養蜂とは、ただ単にミツバチを飼育してはちみつを採集するだけの仕事ではありません。
ミツバチは自然の中で花蜜を採集する際に、植物や農作物の花粉媒介を行っていて、受粉の手助けも行っています。
ミツバチはこの花粉媒介によって自然環境はもちろん、農業における野菜や果物といった農作物の生産を守ることに大きく貢献しているのです。

私たちの食生活に様々な恩恵をもたらしてくれているミツバチができるだけ安心して暮らせるように環境を整えてサポートを行い、自然との共生を目指すのが養蜂家としての役目。

以前は世界的にもミツバチの減少や養蜂家の高齢化などの問題や国産はちみつの価格が低迷していたことで国内の養蜂戸数は減少傾向にありましたが、昨今では年々増加傾向にあり、令和元年にはミツバチの国内飼育戸数は9,782戸にまで上りました。

国産はちみつの価格も上昇傾向にあり、都市部での養蜂に注目が集まるなど、ミツバチや養蜂家という職業に今改めて関心が高まってきています。


四季によって異なる【養蜂家】の仕事

養蜂家はミツバチの管理人として、その日のミツバチや巣箱の状況、また天候などの周囲の環境を十分に配慮した上で、臨機応変に対応することが求められます。
年間を通じて様々な仕事を行っていますが、四季によってその仕事内容は変化してきます。

春から夏にかけての仕事

花々が咲き誇る春が訪れると、ミツバチは活発に花蜜を採集し始めます。

春から夏にかけては巣を大きく形成していくため、養蜂家はミツバチが巣を作りやすいように配慮して、その環境を整える作業を行わなくてはなりません。
また、この時期にはミツバチが一生懸命たくさんの花蜜を集めてはちみつを作り出すため、はちみつを収穫する採蜜作業も行っています。

採蜜の際は、ミツバチの状態やはちみつの品質などをチェックして適切なタイミングを見計らうことが重要になってくるため、長年の経験に基づくノウハウが必要です。

秋から冬にかけての仕事

夏の暑さが落ち着き、涼しい秋が訪れてくるとミツバチの数は徐々に減少してくるので、巣箱もそれに見合うように調整が必要です。

秋の終わり頃には外気が入り込みにくいように巣の入り口を狭め、冬を越せるだけの勢力と貯蓄を維持できているかをチェックして手助けします。
また、翌年の春に向けてこの期間にミツバチを多く羽化させておくことも重要です。
冬になるとミツバチは厳しい寒さの中で巣の中央部に身を寄せ合って体温を作り、暖を取り合って越冬します。

冬の間は冷気が入り込んでしまうため、巣箱を開けることが基本的にできません。
冬が訪れる前に、ミツバチが必要とする冬支度を終わらせておきます。

【養蜂家】の仕事内容

養蜂家はミツバチのメンテナンスをしっかりと行うために、1日の中でも様々な仕事を行っています。
その日の状況によって作業内容は変動してきますが、大きく分けてご説明すると以下の4つです。

  • ・自然環境とミツバチの観察を行う
  • ・ミツバチの巣箱を点検する
  • ・血圧や血糖値などの正常化
  • ・ミツバチの外敵への対策を講じる
  • ・ミツバチが集めたはちみつを収穫する

このあと、それぞれご説明していきましょう。

自然環境とミツバチの観察を行う

養蜂家の1日の仕事は、ミツバチのご飯となる野山の植物の生長や開花具合、さらには天候など、日々変化していく周囲の自然環境をしっかりと観察することから始まります。

そして最も配慮しなくてはならないのは、ミツバチたちの体調。
ミツバチの様子や変化に細心の注意を払って、観察しながら飼育しています。

ミツバチが病気やダニなどの被害を受けていないか確認を行い、異常なく正常な働きをしているかどうか、日々よく観察することが重要です。


ミツバチの巣箱を点検する

ミツバチの巣箱を点検して、定期的なメンテナンスを行うことも大切な仕事です。
ミツバチにストレスを与えないように極力短時間で作業を行う必要があり、平均して週に1回程度は巣箱の中を点検します。

点検の際は、働きバチの数・サナギ・幼虫・卵の数などの他、巣の中にミツバチが子育てをできるだけのご飯の貯蔵があるかをチェック。
花が少ない季節には、必要に応じてミツバチたちにご飯を与える作業も必要です。

また、女王蜂の健康状態や群れ全体の状態も把握しながら、異常がみられる場合は原因を突き止めて対応します。

ミツバチの天敵への対策を講じる

ミツバチの天敵として、最も代表的なものはスズメバチです。
同じハチの仲間でありながら、スズメバチはミツバチを食べてしまいます。
そのような天敵からミツバチを守るため、巣箱のまわりにワナを仕掛けたり、寄せつけない工夫を凝らしたりするなどの作業も非常に大切です。


ミツバチが集めたはちみつを収穫する

巣箱にはちみつが貯まってきたら、時期を見て収穫を行います。
収穫の際にはミツバチの状態やはちみつの品質などを考慮して行うことが非常に重要です。
ミツバチたちのご飯に必要な分をしっかりと残しながら、遠心分離器や漉し器などの道具を使用して、はちみつとなる原料蜜のみを採蜜していきます。


こちらの記事では、はちみつが出来るまでの工程について詳しく解説しています!


【養蜂家】になるには

養蜂家を目指すには特定の資格などは求められませんが、ミツバチの生態や飼育に関する知識や養蜂技術の習得が必要不可欠なだけでなく、農業や畜産業にまつわる知識も重要です。

自然や生き物を扱う職種であるため、不測のアクシデントを想定する先見性や臨機応変な対応力が備わっていることが望ましいでしょう。

また、実務の作業に関しては体力も要することになります。
屋外での作業が多い他、重い巣箱などを扱うため、自己の健康管理をしっかりと行うことが必須です。

養蜂家になるための方法としては、主に以下の2つの方法が一般的です。

  • ・養蜂家に弟子入りする
  • ・養蜂業を行う企業に就職する

1つ目は、プロの養蜂家に弟子入りする方法。
実際に現在活躍されている養蜂家のもとでその知識や技術を継承させてもらうことで、最も早く実務における重要な経験が身に付くと言えます。

2つ目は、養蜂業を営んでいる企業に就職する方法。
企業に就職することでビジネス視点に立って市場の動向やニーズに理解を深めながら養蜂を学ぶことができ、養蜂家として独立後も業界を通じた人脈を広げることが可能です。

「自然との共生」を通じて喜びを感じられる【養蜂家】の仕事

今回は、ミツバチを支えるプロフェッショナル「養蜂家」の仕事内容、やりがいや喜びの他、養蜂家になるための方法などについて詳しくご紹介しました。
養蜂とは、地道な努力の積み重ねと長年の経験に基づく技術や知見が必要な仕事。
養蜂家は、自然環境や生態系保全の重要な役割を担うミツバチと日々真摯に向き合いながら、自然との共生を目指して、多くの皆様に美味しいはちみつをご提供することに尽力しています。
本記事を通じて、ミツバチの存在や養蜂家の仕事をより身近に感じていただき、ミツバチがもたらしてくれる豊かな自然の恵みそのものを、より美味しくお召し上がりいただけましたら幸いです。